特別講義
いのち短し 恋せよ乙女―人間,時間,空間
黒柳 弥壽雄
1
1JR東海総合病院
pp.628-632
発行日 1992年8月25日
Published Date 1992/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903620
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室生犀星の詩集『鶴』1)に収められている「友情的なる」という詩の一節を掲げよう.
此の日雪降れり
此の日我心鬱せり 此の日我出で行かんとはせり
何者かに逢はん望を持てり
何者かに,―
何者かに留めがたき友情を感ず
友情的なる縹渺を感ず,
此の日雪降れり,
友情的なるものを痛感せり,
雪の中に我出で行かんとはせり.
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