特集 明日から始める!ジェネラリストのための転倒予防アプローチ
転倒予防の作戦
仮想現実(VR)技術を用いた新しい転倒予防
原 正彦
1,2
1株式会社mediVR
2島根大学大学院医学系研究科 地域包括ケア教育研究センター
pp.1270-1275
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023100019
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
転倒による骨折や外傷に伴う機能制限は生活の質を低下させ,自立を妨げる要因となる1, 2). 生活機能の低下はそのまま介護負担や医療費の増大問題にもつながることから,転倒予防 には幅広い症例に対して安全で継続的に取り組める汎用性が重要となる1, 2).とくにジェ ネラリストが対峙する転倒問題は高齢者にとどまらず,発達障害や脳性麻痺の小児患者か ら脳血管障害,パーキンソン病などの神経変性疾患を患う就労世代の成人患者に至るまで, 日常診療の多くの患者に関連する重要な課題の1つである.臨床現場ではこれまで転倒を 予防するための運動プログラムや,住環境,薬剤の見直しなど,さまざまな取り組みに関 して効果検証が行われてきた1, 2).そのなかでも本稿では,これまでにない全く新しい転倒 予防手法となり得る仮想現実(virtual reality:VR)技術を用いた体性認知協調療法(somatocognitive coordination therapy:SCCT)に関して概説を行う.
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.