特集 関節痛 リウマチ・膠原病診療に強くなる
関節リウマチのケア
リウマチ・膠原病患者の患者教育
松村 陽美
1
1医療法人ひのうえ会 ひがみリウマチ・糖尿病内科クリニック
pp.894-899
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023070014
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関節リウマチと治療について
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は関節炎を主徴とする慢性炎症性疾患であり, 関節以外の臓器にも病変が波及し得る全身性疾患である.関節炎が遷延すれば関節破壊が 進行し,身体機能障害とQOLの低下をきたす.さらに病状が進行すれば,関節外病変の 出現・進行,感染症,心血管病変の合併などによって,生命予後にも影響が及ぶ1).
RA治療は,基礎療法とそれを支えている「薬物療法」,「リハビリテーション」,「手術療 法」,「ケア」の4本柱によるトータルマネジメントが基本となる2).土台となる基礎療法は, 患者自身が疾患や治療目標を理解して日常生活を管理しつつ,医療者との信頼関係,同意 に基づく治療方法などの意思決定を行うことを意味する3).そのうえで,メトトレキサー ト(MTX)を第一選択薬とした関節破壊抑制効果のある抗リウマチ薬,生物学的製剤など の薬物療法を中心に治療を行う.関節の機能維持,変形予防,装具療法,自助具の活用, 生活環境の整備などのためのリハビリテーション,薬物療法では改善しない関節の機能回 復,日常生活の改善目的の手術療法をリウマチの活動性や進行度に応じて行っていく.ケ アは,患者が疾患や自身の病状を十分理解し,チーム医療の一員として治療に参加できる ようサポートしていくことである.
RA患者のQOLの向上を目標に,患者を中心とした医師,看護師,薬剤師,理学療法士, 作業療法士,MSW,医療事務などの多職種が協働し,患者の心理的・社会生活面の状況を 把握したうえで,患者ケアを行っていくチーム医療が重要である4).
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