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増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典
Ⅰ 生化学
乳酸脱水素酵素〔LD〕《LDH》
lactate dehydrogenase
前川 真人
1
1浜松医科大学医学部臨床検査医学
pp.743-744
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103273
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検査の概要
乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase,LD)は解糖系最終段階の酵素で,ほとんどすべての細胞に存在する.H(B)とM(A)の2種のサブユニットからなる四量体であり,5種のアイソザイムを形成する.これらアイソザイムの割合は各細胞・組織で特異的なパターンを示す.細胞の可溶性分画に存在するため,細胞の傷害時に直接もしくはリンパを通って間接的に血管内に流入する,いわゆる逸脱酵素(releasing enzyme)である.したがって,大多数の細胞傷害で血清LD活性が上昇するため,非常に感度のよい,体内での異常の発信シグナルである.特に数,大きさ,含量の多い細胞,組織の傷害の異常を優先的に反映する.
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