薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
集中治療
86 DIC(播種性血管内凝固)
-病態からケアポイントを考える
篠田 康孝
1
1大垣市民病院薬剤部
pp.788-789
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040144
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病 態
DIC(disseminated intravascular coagulation:播種性血管内凝固)は,種々の原因により,局所にとどまらない血管内凝固活性化を来す後天性の症候群と定義されています1).著しい凝固活性化は,血管内に微小血栓を大量に発生させ,細い血管を中心に血栓閉塞を引き起こし,臓器障害の原因となります.また,重篤かつ持続的に凝固活性化が起こると,血小板や凝固因子が枯渇し,消費性凝固障害が生じます.さらには,過剰な凝固活性を制御するために,線溶系(血栓を溶かして分解するはたらき)も過剰に活性化します.よって,DIC では臓器障害および出血症状が問題になります.
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