増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
5章 疾患まとめ
播種性血管内凝固(DIC)
朝倉 英策
1
1金沢大学附属病院血液内科
キーワード:
播種性血管内凝固
,
DIC
,
線溶亢進型DIC
,
線溶抑制型DIC
,
サイトカイン
Keyword:
播種性血管内凝固
,
DIC
,
線溶亢進型DIC
,
線溶抑制型DIC
,
サイトカイン
pp.1082-1087
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209116
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疾患概念
播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)は,基礎疾患(表1)の存在下に全身性持続性の著しい凝固活性化をきたし,細小血管内に微小血栓が多発する重篤な病態である1-4).凝固活性化とともに線溶活性化がみられるが,基礎疾患により,その程度には相当な差異がみられる(図1).進行すると血小板や凝固因子といった止血因子が低下し,消費性凝固障害の病態となる.DICの2大症状は,出血症状と臓器症状であるが,臨床症状が出現すると予後は極めて不良となるため,臨床症状の出現がない時点で治療開始できるのが理想である.
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