病気のはなし
播種性血管内凝固症候群(DIC)
朝倉 英策
1
1金沢大学附属病院高密度無菌治療部
pp.364-370
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103913
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サマリー
播種性血管内凝固症候群(DIC)は,基礎疾患(急性白血病,固形癌,敗血症など)の存在下に全身性持続性の著しい凝固活性化をきたし,細小血管内に微小血栓が多発する重篤な病態である.凝固活性化(TAT上昇)とともに線溶活性化(PIC上昇)がみられるが,その程度は基礎疾患により相当な差異がみられる.進行すると血小板や凝固因子と言った止血因子が低下し,消費性凝固障害の病態となる.線溶抑制型DICは敗血症に代表され臓器症状がみられやすいのに対して,線溶亢進型DICはAPLや動脈瘤に代表され出血症状がみられやすい.線溶均衡型DICは中間的病態であり,固形癌例で多い.
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