今月の臨床 初期治療60分—婦人科救急
婦人科救急疾患の治療
8.播種性血管内凝固(DIC)
鈴木 重統
1
1北海道大学医療技術短期大学部
pp.1546-1549
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902769
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DIC(播種性血管内血液凝固症候群,dis—seminated intravascular coagulation)とは,なんらかの病的な原因により凝固系が活性化され,全身の微小血管内に血栓が多発し,そのために各凝固因子の消費ないし低下と,これに連なる線溶系の亢進が起こり,出血傾向や臓器の機能障害などをきたす一連の症候群のことである.
担癌生体が血液凝固亢進状態にあることは,筆者を含めて多くの報告がある1).また,婦人科のDICは,急激に出現する産科DICとは性質が異なり,悪性腫瘍の進行に伴ってゆっくりと進行する慢性のDICである.
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