薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
画像診断
63 PET
-放射性医薬品を使った画像診断とは?
島﨑 学
1
1帝京平成大学薬学部薬学科 准教授
pp.740-741
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040121
- 有料閲覧
- 文献概要
PET とは?
PET は,陽電子放出断層撮影(positron emission tomography)とよばれる核医学検査のひとつです.陽電子(positron)とは,放射性のあるプラスの電荷をもつ電子で,β+壊変(崩壊)とよばれる原子核内の陽子が中性子に変換する過程で放射される放射線です(p.250 参照).β+線ともよばれます.例えば,炭素の安定核種(12C)よりも質量数が1 つ少ない116C について考えてみると,原子番号(陽子の数)が同じで質量数が1 つ少ないということは,中性子が1 つ少ない状態です.この時,下式のような壊変(崩壊)が起こり,過剰な陽子1 つが中性子に変わることで安定核種である原子番号5 のホウ素(115B)に変わります.このときに放射性のあるプラスの電子とニュートリノを放出します.この放射性のあるプラスの電子がβ+線です.
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.