特集 睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋
不眠に伴う課題の糸口を薬学的視点から探る③ OTC睡眠改善薬の長期使用を防止せよ ─睡眠衛生指導と精神科へのアクセス─
成井 繁
1
1湘南あおぞら薬局 藤沢店
pp.188-192
発行日 2023年2月5日
Published Date 2023/2/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023020007
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2021(令和3)年度の健康実態調査によると,日本人の睡眠時間は,「6時間以上7時間未満」が最も多く,全体の34.7%を占めている.しかし,「睡眠の全体の質に満足いかなかった」という回答は34.7%になり,前年の調査より悪化傾向である1).生活習慣の多様化,仕事や生活のストレス,高齢化など,さまざまな原因があげられる.
睡眠の改善目的に,ベッドや枕,スマートフォンアプリなど,スリープテック(sleep tech)とよばれるさまざまな製品が開発されている.市場規模は,2018年に約13億円だったが,2022年は約60億円になる見込みで,2025年には105億円になると予測されている2).
睡眠改善目的の製品には,睡眠改善薬,機能性表示食品など,薬局やドラッグストアで手軽に購入できる商品も増加している.これらの製品は脳機能に作用するため,リスクを伴う観点から,購入の際には注意喚起の説明が重要である.購入希望者の睡眠状況を聞き取り,リスクを伴う場合には,精神科などへの受診を勧奨することが重要である.
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