降圧薬

高血圧症は血圧の上昇だけでなく，脳卒中や心筋梗塞など，将来的な合併症リスクを増加させ，生命予後に大きな影響を及ぼす^1）．一方，高血圧治療に関するエビデンスは豊富であり，降圧薬の投与は収縮期血圧を10mmHg低下させ，心筋梗塞，脳卒中，心血管死亡のリスクを10～30％低下させる^2,3）．とはいえ，臨床で使用可能な降圧薬は多彩であり，その薬理作用も大きく異なっている．本稿では血圧や心血管疾患に対する効果・有効率，安全性・副作用，後発医薬品を含む剤形選択の観点から，降圧薬の比較を論じたい．