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要旨
目的
早期産褥期における会陰切開創への温罨法による疼痛緩和効果について、疼痛(Visual Analog Scale)と気分プロフィール検査(POMS)の関係を明らかにすることである。
対象と方法
正常分娩し会陰切開を受けた産褥経過が順調な産褥3日〜4日目の褥婦を対象とし、会陰切開創に箱井式高吸収性ポリマーバックによる温罨法を施行した。
結果
分析対象者は39名(うち介入群22名、対照群17名)であり、会陰切開創の痛みに対する鎮痛剤使用の有無が混在していた。鎮痛剤の影響を考慮し、『鎮痛剤使用なし群』において、産後3日〜4日目のVisual Analog Scaleの変化量について2群比較した。結果、介入群の変化量は2.43±2.06、対照群の変化量は0.92±1.20でありp=0.045と有意な差がみられた。気分プロフィール検査(POMS)の変化についてはVASと同様、『鎮痛剤使用なし群』の気分プロフィール検査(POMS)の各項目の変化量について2群比較を行なった。結果、「緊張および不安感(T-A)」p=0.038、「自信喪失を失った抑うつ感(D)」p=0.039、「元気さ躍動感ないし活力(V)」p=0.038と3つの項目の変化量に有意な差がみられた。Visual Analog Scaleと気分プロフィール検査(POMS)の相関においては『鎮痛剤使用あり群』では、介入群のVisual Analog Scaleと「元気さ躍動感ないし活力(V)」にPearsonの相関係数-0.91と高い負の相関がみられた。介入群においては温罨法使用後にセルフケアに関心をしめす傾向がみられた。
結論
早期産褥期の会陰切開創への温罨法によるケアは疼痛緩和効果と気分の向上につながることが明らかとなった。
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