連載 〈教育〉を哲学してみよう・9
物語ることによる自己変容と看護実践
杉田 浩崇
1
1広島大学 教育学部
pp.360-364
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201473
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「べてるの家」が提起する問い
医学書院『シリーズ ケアをひらく』をはじめ、広くその活動が取り上げられている北海道・浦河べてるの家をご存じだろうか。
べてるの家では、精神疾患のある「当事者」たちが自らの生きづらさを「研究」し、互いにその語りを共有し合うなかで、病いとつき合っていく実践がなされている。べてるの家が注目されているのは、専門家である医師が患者の抱える病気を治療できるという「医師―患者関係」を問いの俎上にあげているからである。
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