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2015年度生涯学習支援研修応用編「老年看護学と地域包括ケア」特別寄稿
地域密着型サービスが地域包括ケアシステムで果たす機能と看護職の役割
Functions of Community-based Services under the Community Integrated Care System and the Roles of Nursing Professionals
永田 千鶴
1
Chizuru Nagata
1
1山口大学大学院医学系研究科
1Division of Community/Gerontological Nursing, Faculty of Health Sciences Yamaguchi University Graduate School of Medicine
pp.5-9
発行日 2016年7月31日
Published Date 2016/7/31
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1.はじめに
地域包括ケアシステム構築の目的は,住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されることと説明されている(厚生労働省,2013).地域密着型サービス(以下,地域密着型)創設の目的は,要介護者の住み慣れた地域での生活を支えることであり(厚生労働省,2005),今後増え続ける認知症高齢者や独居高齢者を見越して制度化されたものである.このことから,地域密着型の制度化と地域包括ケアシステム構築は同じ目的をもつものであり,地域包括ケアシステムにおいて,地域密着型は,ケアの拠点として期待されていることがわかる.
筆者らは,地域包括ケアシステムの構築には,「いまいる場所で最期まで」暮らすことの実現(エイジング・イン・プレイス)が求められていると考え,「いまいる場所」のひとつとしてケアを担うであろう地域密着型をフィールドとした研究活動を継続している.高齢者が,たとえ独居になったり認知症になったりしても,環境の変化による心身のダメージを極力受けることなく,「いまいる場所で最期まで」暮らすには,「いまいる場所」のサービス提供者が看取りまでを視野に入れたケアを提供することが強く求められると考えている.
そこで本稿では,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)と小規模多機能型共同生活介護(以下,小規模多機能)の2つの地域密着型に着目し,地域包括ケアシステムおよびエイジング・イン・プレイスで果たす地域密着型の機能と看護職の役割について述べる.
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