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日本老年看護学会第18回学術集会特集Ⅱ 教育講演1
高齢者ケアに生かすリハビリテーション─作業療法による虚弱・認知症高齢者支援の考え方
Rehabilitation Care for Fragile and Demented Elderly Subjects : Focus on Occupational Therapy
村木 敏明
1
Toshiaki Muraki
1
1茨城県立医療大学
1Ibaraki Prefectural University of Health Sciences
pp.5-13
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
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1.作業療法とは
1)作業療法の定義
作業療法は,1965年に「理学療法士法及び作業療法士法」によって制定された.この時点において作業療法は医療法に基づいた専門職の治療法として正式に臨床において実践されることになった.当該法において作業療法の定義は,「身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行わせることをいう」(傍点は筆者)と謳われている.
これを字句どおりに解釈すれば作業療法の対象者は,「身体又は精神に障害」を有している者に限られ,目的は,「回復」,すなわち治療における回復のみに焦点を当てていること,それも「応用的動作又は社会的適応能力」のみの狭窄的視点で定義されていることである.さらに手段においては,作業療法の作業を「手芸,工作その他の作業」といった提示をすると同時に,それらを作業療法士が患者あるいは利用者に「行わせる」といった一方通行的な,狭義の指示に視点が当てられている.
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