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日本老年看護学会設立20周年記念特集:19年間の歩み
『老年看護学』発刊20周年に寄せて─大学における老年看護学教育の始動と学会創設の動きに焦点を当てて
Early Activities of the Gerontological Nursing Education at the University and the Foundation of JAGN in Japan
髙﨑 絹子
1
Kinuko Takasaki
1
1元 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.22-26
発行日 2015年3月30日
Published Date 2015/3/30
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- Abstract 文献概要
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1.はじめに
1995(平成7)年に日本老年看護学会が設立されてから今年で19年目,学会誌『老年看護学』は2014年の第19巻第2号で発刊20周年を迎えるが,大学で最初の「老年看護学」の講座が東京医科歯科大学に創設された1989(平成元)年から数えると今年は25年になり,ちょうど四半世紀たったことになる.現在では,看護系大学は約210校(2013年)(日本看護協会,2014)に増え,そのほとんどに老年看護学の部署と専任教員が設置され,本学会の会員数も約1,580人(2014年)を数えるまでに発展した.そして,超高齢社会を迎え,高齢者に関する課題はもはや国民すべての関心事となっている.しかし,学会創立前後のころは,老年看護学は成人看護の一部として位置づけられ,老年看護学の重要性や独自性は看護職の間でもほとんど認識されていなかった.当時の「老年看護学」を取り巻く看護教育や研究活動の状況を体験し,発足したばかりの大学で老年看護学の教育を担当した私は,老年看護学の発展には喜びと同時に驚きさえ感じ,まさに隔世の感を覚える.
老年看護学の発展は,看護教育の大学化が急速に進んだ時期と重なるが,大学における看護教育の変革や老年看護学の「産みの苦しみ(growing pain)」に立ち会った看護職もだんだん少なくなってきている.このたび,産声を上げたばかりの老年看護学の確立と発展のために,パイオニア精神の意気をもって努力してきた体験を振り返る機会をいただいた.本稿が今後の老年看護学の発展に多少でも資することがあれば,望外の幸せある.
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