日本老年看護学会第13回学術集会特集 シンポジウム
超高齢者の食と排泄のベストプラクティス
桑田 美代子
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1青梅慶友病院看護介護開発室
pp.30-34
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
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- 文献概要
はじめに
青梅慶友病院(以下,当院と略す)はベッド数736床,入院患者の平均年齢87.8歳,平均在院期間約3年6か月,8割が認知症を有し,9割が死亡退院する「終いの住処」の役割を担った療養病床である(表1,表2参照).1980年147床で開院して以来,「豊かな最晩年の創造」を理念に掲げ,超高齢者を“病をもっている人”として捉えるのではなく,“生活している人”として生活支援することこそが何よりもの治療と考え実践してきた.余暇支援や拘束の全面廃止,寝たきりお越しなど,人生最後のときをその人らしく過ごしてもらえるよう,最善のケアを提供するためスタッフとともに取り組んできた.その中でも“食”と“排泄”は生活の要であり,援助の考え方や援助方法によりQOLを左右する.そして,援助の考え方や援助方法は時代に応じ変化する.そのため,常により良いものを追求し,推進していく姿勢をもたなければ最善のケアは提供できないと考えている.
今回,老人看護専門看護師(以下,老人看護CNSと略す)として,他職種とともに超高齢者のベストプラクティスを探求してきた活動を,“食”と“排泄”の視点から述べたい.
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