研究・教育活動推進委員会:平成18年度ワークショップ報告 「新介護保険制度における老年看護の役割」
─分科会「在宅ケアの動き」話題提供─医療依存度の高い中重度の在宅療養者と介護者の支援─「療養通所介護」の創設とこれからの訪問看護ステーションに求められるもの
当間 麻子
1
1医療法人偕行会在宅医療事業部
pp.155
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
- 販売していません
- 文献概要
今年4月の介護報酬の改訂により,がん末期や難病等中重度の在宅療養者と介護者を支援する通所サービスとして「療養通所介護」が創設された.2002年より4年間にわたり,医療ニーズと介護ニーズを併せもつ在宅の中重度者が住み慣れた自宅で生活できるよう,訪問と通所のサービスを一体的に提供するモデル事業が先駆的な訪問看護ステーションで実施された.療養通所介護はその成果を踏まえて創設されたものであり,現場の実践者が生み出した制度であると言える.このモデル事業では,医療ニーズの高い重度者が社会参加ができた,専門的な看護ケア(呼吸訓練や排痰ケア・嚥下訓練等)を受け全身状態が改善した,入院回数が減少した,安心してレスパイトできる,訪問で看ている看護師と連携できるので主治医として安心等,利用者・介護者・主治医・介護支援専門員から高い評価を得ている(当日は,当法人療養通所介護事業所さくらの実践を具体的に紹介).
療養通所介護の対象者は常時看護師による観察が必要な者で,定員は5名である.利用者:看護・介護職員は1.5:1以上で,常勤専従看護師を1名以上配置し,管理者は訪問看護経験のある看護師である.利用者定員に8 m2を乗じた専用の部屋(他の部屋から完全に遮蔽)が必要である.緊急時対応医療機関と安全・サービス提供管理委員会を定め,主治医や訪問看護事業者等との密接な連携のもとにサービスが提供されなければならない.介護報酬はサービス提供時間が3〜6時間で1,000単位,6〜8時間で1,500単位である.
Copyright © 2007, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.