Japanese
English
研究ノート
認知症高齢者のグループ回想法場面の編集映像がもたらす家族やケアスタッフへの効果
The Effect of the Video Image of the Compiled Scenes of Group Reminiscence for Elderlies with Dementia on Families and Care Staffs
佐藤 弘美
1
,
金川 克子
1
,
天津 栄子
1
,
田高 悦子
2
,
酒井 郁子
3
,
細川 淳子
1
,
高道 香織
1
,
伊藤 麻美子
1
Hiromi Sato
1
,
Katsuko Kanagawa
1
,
Eiko Amatu
1
,
Etsuko Tadaka
2
,
Ikuko Sakai
3
,
Junko Hosokawa
1
,
Kaori Takamichi
1
,
Mamiko Ito
1
1石川県立看護大学看護学部
2東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
3千葉大学大学院看護学研究科
1Faculty of Nursing, Ishikawa Prefectural Nursing University
2Division of Health Sciences and Nursing, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
3Graduate School of Nursing, Chiba University
キーワード:
認知症高齢者
,
回想法
,
グループ
,
家族
,
ケアスタッフ
,
回想場面の映像
,
elderly with dementia
,
reminiscence
,
group
,
family
,
care staff
,
video image of the reminiscence scenes
Keyword:
認知症高齢者
,
回想法
,
グループ
,
家族
,
ケアスタッフ
,
回想場面の映像
,
elderly with dementia
,
reminiscence
,
group
,
family
,
care staff
,
video image of the reminiscence scenes
pp.105-115
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
われわれは,認知症高齢者の家族2組とその高齢者をケアしている8名のケアスタッフに,2つの異なる回想法場面の編集映像を提示し,面接調査を実施し,回想法の中での認知症高齢者の変化を再現したDVD媒体がもたらす効果について検討した.面接内容の特徴的な発言内容から回想法の効果について現れている表現を抽出した.その結果,認知症高齢者の家族への回想法場面の編集映像の提示で主な発言内容の表現として,《誌知症高齢者の実像の受け止め》と《映像でみた高齢者に誘発された語り》が抽出された.さらに認知症高齢者の豊かな表情,たくさんの発言,そして堂々とした態度という映像を,家族に提示した後の主な表現として,《回想法の効用の実感》と《回想法への期待》が抽出された.ケアスタッフへ回想法場面の編集映像を提示した後の表現として,日常生活と回想場面の比較から,《現在の姿の二面性への気づき》と《高齢者の過去の把握》が抽出された.さらにケアスタッフは,回想法の場面の編集映像に対し《回想法の効用の実感》と,回想法を連続的に実施することによる認知症高齢者に対する《新たなケアの糸口の発見》に関する表現が抽出された.誌知症高齢者の変化を再現する媒体として編集された回想場面の編集映像がもたらした効果として,家族にとっては認知症高齢者とともに過ごした人生を想起する自分の変化に気づく機会となると考えられる.ケアスタッフにとっては,回想法による誌知症高齢者の変化を日頃の個別ケアに適用する手がかりになると考えられる.
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