日本老年看護学会第9回学術集会特集 シンポジウムⅡ
高齢者の回復・能力アップの可能性を引き出す援助
矢部 弘子
1
1聖隸クリストファー大学
pp.30-33
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
- 販売していません
- 文献概要
高齢者が疾病からの回復,障害の克服をしていく場合,心身の機能が低下していることから成人よりも多くの配慮が必要になることがある.運動負荷と安静とのバランスが難しく,体力以上に負荷をかけすぎると生活のリズムに悪影響を与え,合併症や別の身体疾患を誘発しやすい.しかも,健康状態が重篤な状態ほど,身体疾患や合併症による症状が不明瞭であり,発見しにくいことが大きな特徴といわれる.また,安全性を重視しすぎ,安静状態を長期化しすぎると,高齢者自身がもっている機能を低下させることになる.回復期における看護の前提は,合併症などを起こさないための予防的援助と,病状が重篤になる前に早期発見をするということであり,それができているということを前提に,回復・能力アップの可能性について考えていく.
Copyright © 2005, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.