Japanese
English
研究ノート
摂食・嚥下機能からみた高齢者における嚥下体操の有効性
Effectiveness of Swallowing Exercises in the Elderly
穴井 めぐみ
1
,
松岡 緑
2
,
西田 真寿美
3
Megumi Anai
1
,
Midori Matsuoka
2
,
Masumi Nishida
3
1西南女学院大学保健福祉学部
2佐賀医科大学医学部
3神戸市看護大学
1Seinan Jogakuin University
2Saga Medical School
3Kobe City College of Nursing
キーワード:
高齢者
,
嚥下体操
,
唾液分泌量
,
開口度
,
反復唾液嚥下テスト
,
elderly
,
swallowing exercise
,
salivation
,
mouth opening
,
repeated saliva swallowing tests
Keyword:
高齢者
,
嚥下体操
,
唾液分泌量
,
開口度
,
反復唾液嚥下テスト
,
elderly
,
swallowing exercise
,
salivation
,
mouth opening
,
repeated saliva swallowing tests
pp.67-74
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は高齢者における嚥下体操の効果を唾液分泌量,開口度,反復唾液嚥下テストを指標として明らかにすることである.対象はS老人保健施設に入所中の摂食・嚥下障害のない高齢者15人で,平均年齢は78.2±6.04歳,男性1人女性14人であった.嚥下体操は従来の嚥下体操に唾液腺マッサージを加えた.1日3回食前10分に8週間継続して実施した.分析方法は上述の3つの指標において,嚥下体操を実施する前と8週間実施した後の測定値を比較した.唾液分泌の即時的効果について,嚥下体操を1回実施する前と実施した後の唾液分泌量を比較した.比較はウィルコクソン符号付順位検定を用いて行った(p<0.05).加えて,主観的評価を得るために嚥下体操を8週間実施した後に面接調査をした.結果は,3つの指標において,嚥下体操を実施する前より8週間実施した後に有意に増加した.唾液分泌量において,嚥下体操を1回実施する前より1回実施した後に有意に増加し,唾液分泌の即時的効果が認められた.嚥下体操を8週間の実施した後の面接調査で食事への意識化,頸部のリラクセーション効果が抽出された.よって,嚥下体操は食事への意識化は摂食・嚥下のプロセスの認知期へ,唾液分泌量,開口度の増加は準備期・口腔期へ,反復唾液回数の増加は咽頭期へ影響を及ぼし,摂食・嚥下機能に効果を与えると考える.
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