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Ⅰ.緒言
わが国における高齢者人口は、2015年9月時点で3,384万人となり、総人口に占める割合は26.7%(総務省,2015)と過去最高を記録し、超高齢社会となっている。また、認知症高齢者は2012年時点で462万人、高齢者の約7人に1人の割合を占めており、2025年には約700万人、高齢者の約5人に1人は認知症になる(厚生労働省,2012)と推定されている。これに加え、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)の人は2012年時点で約400万人、65歳以上の高齢者に占める割合は13%と推定されており(NAGOYAかいごネット,2015)、認知症高齢者数は今後も増加することが予測されている。
このような背景から、社会全体で高齢者を支えるため、2000年に介護保険制度が創設され、2011年度の改正では「認知症対策の推進」が掲げられた。その中で、認知症高齢者の地域での日常生活や認知症高齢者を介護する家族に対する支援の強化が推進され、具体策として、「家族教室」や「認知症カフェ」の普及が挙げられた。家族教室とは、認知症の人の家族向けの認知症介護教室等を指し(厚生労働省,2014)、行政や全国の医療機関が主体となり開催している。一方、認知症カフェ(以下、カフェ)は、「認知症の本人、その家族、専門職、地域住民など誰もが参加でき、和やかに集うカフェ」(厚生労働省,2012年)と定義され、2013年から国による財政支援も開始された。さらに、2015年4月から始まった「新オレンジプラン」の中でも、認知症の人やその家族等に対する支援として「認知症カフェ設置の推進」が明記され、2018年度からすべての市町村に配置される認知症地域支援推進員が、地域の実情に応じて設置すること(厚生労働省,2014)が国の方針として示された。
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