第6回日本看護医療学会学術集会 シンポジウム
高度先進医療と看護の役割
ドイツにおける心移植・補助循環をめぐる諸問題
薦田 烈
1
,
T. Drews
1
,
H.B. Lehmkuhl
1
,
R. Hetzer
1
T. Drews
1
,
H.B. Lehmkuhl
1
,
R. Hetzer
1
1ベルリンドイツ心臓病センター
pp.68-69
発行日 2004年12月25日
Published Date 2004/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200233
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ドイツにおいては、1969年以来、2003年末までに7865例の心移植(最近5年間で平均410例/年)が行われた1)。我々の施設においても、2004年7月までに1373例(最近5年間で平均56例/年)の心移植が行われたが、心移植後の10年生存率54%については、他の主要な移植センターの成績と比べて遜色ない。また、当センターにおいて、補助人工心臓装着術は、これまで791例に行われた。人工心臓については、ヨーロッパで臨床試験が行われた後に、米国で認可され、しかる後に、日本で認可されることが多いため、この分野においては、世界の最先端の医療を提供しているといえよう。
ドイツにおいても、他の国と同様、移植臓器は不足している。しかも、脳死を事実上の死と認める者は人口の62%に過ぎず2)、ドナーカードを所有している者は人口の7-12%でしかない2-4)。ただし、臓器提供の意思が不明な脳死者については、ドイツの移植の法律にもとづき、近親者の承諾により、臓器提供者となりうる5)。近年、自動車の安全対策が進んだ結果、脳死の臓器提供者数が減少しつつあり、今や、脳死の原因は脳血管障害が主体となってきている6)。その結果、ドイツにおける心臓移植数は、1997年に562例あったものが、漸減して、2003年には393例になっている7)。
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