Japanese
English
特集 産婦人科及びその境界領域の循環器系疾患
心不全をめぐる諸問題
Problems centering around the decompensation
木谷 威男
1
,
難波 和
1
Takeo Kitani
1
1大阪大学医学部第二内科
pp.947-953
発行日 1956年12月15日
Published Date 1956/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201476
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心不全とは心筋の衰弱の結果,循環不全をおこし,呼吸困難,浮腫,チアノーゼ等の症状をおこしてくる症候群を総称して云うのである。又単に心不全と云つたり,或いは鬱血性心不全Congestiveheart failure又は"Congestive failure"とか"Congestive circulatory failure"とも云うのである。心不全は心筋衰弱の結果の循環不全であると云つたが,心臓弁膜症や慢性高血圧症の結果,心臓が肥大し,心搏出量が低下しておこつてくるlow output failureと云う型のものと,貧血や甲状腺機能亢進症があり心搏出量は低下しないのに心不全の症候を呈してくるhigh output failureと云う型のものがあり,又左右いずれかの心室の筋肉の衰弱が強度であり,即ちそれによつて右心不全1)或いは左心不全と云うようにわけて考えるのである。
そこで心不全をおこしてくる原因となる疾患を考えて見ると大体以下の様になる2)。
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