追悼
日本災害看護学会理事黒田裕子先生を偲んで
酒井 明子
1
1福井大学医学部看護学科
pp.2
発行日 2014年12月31日
Published Date 2014/12/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200431
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日本災害看護学会理事の黒田裕子先生(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長)は、本年9月24日に73歳でご逝去されました。本年8月28日に西宮の病院に入院し、がんの宣告を受け、9月18日に故郷島根の病院に転院してから6日目というあまりにも突然の訃報に多くの方々が驚いたことと思います。市民の方からも惜しむ声と感謝の声が絶えません。
黒田先生は、看護師として終末期医療や在宅看護に取り組んでおられましたが、1995年阪神・淡路大震災発生後は、副総婦長をしていた病院を退職し、被災地支援に奔走する道を選ばれました。その頃のことを黒田先生は、いつも力強く語っておりました。「私は被災者です。阪神・淡路大震災が発生したとき、私は、たまたま原稿を書いていて、起きていました。だから私は助かったのです。私の背中には、6434人のいのちがかかっています。これからは、助かった自分のいのちを人々のために捧げていきたい」と。その時は、いつも頬に涙が光っていました。
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