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はじめに
2003年12月26日現地時間午前5時26分(日本時間同10時56分)、イラン・イスラム共和国の首都テヘランから南東約1,000kmに位置するゲルマン州バム市(図1)を中心に、震源の深さ6km、マグニチュード6.5の直下型地震が発生し、市及び周辺の村落の人口約20万人の中、死者約43,200人(推定)、負傷者30,000人を超え、建物の全・半壊25,000棟(バム市の87%)、総被災者数20,000人を超えた。また避難者数は75,000人で、その内20,000人は国内の親戚宅に避難している。入院者数は10,000人、両親を失った児童は1,800人、片親を失った児童は5,000人を数える。医療施設の被害は全施設の40〜100%に及び、3つのバム市内の病院(総病床数255床)と24ヶ所のヘルスセンターの壊滅という大きな被害が生じた(日本赤十字社、2004)。
干し煉瓦作りの伝統的な家屋は一瞬にして崩壊し、殆どの犠牲者は早朝、就寝中に起こった為、多くの人々が生き埋めになり、瓦礫による圧死と見られている。バム市の多くの建造物は全壊に近い損害を受け、町全体としての機能を失った。
筆者らは、1995年の阪神淡路大震災の対応時の学びから、大地震による甚大な被害が発生した場合、発災直後からの緊急支援が重要であることは当然であるが、緊急対応時期を過ぎた後の中長期的なケアの必要性を認識しているところである。従って今回の調査では、被災後3ヶ月を経過した被災地の状況及びケア提供者の実際を調査することで、大震災後の中長期的看護ニーズを明らかにし、それに対する支援内容について検討することを目的とした。
本調査は、兵庫県立大学看護学研究科COEプログラム、日本看護協会、日本災害看護学会の協力により行われた。
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