特集 保健・医療のボランティア活動
地域医療にみる医師のボランティア活動
五十嵐 正紘
1
Masahiro IGARASHI
1
1町立厚岸病院
pp.669-674
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207348
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■はじめに
金のために働いている意識がない人は多いであろう.いつも給料袋を渡される段になって,ああ今日は給料日だったと思う.十分貰っているからだろうと言われればそれまでだが,薄給の時代にも同じであった.それと同一線上のことになるが,患者の経済負担が軽いように,費用便益効果が上がるようにと頭をめぐらすのは常であるが,意識的に病院の収益が上がるようにとは配慮しないから,病院の経営者としては失格であろう.
しかし一方で,患者の〈ために〉働いているという意識も薄い.少なくとも奉仕しているという意識はない.仕事が面白いからやっているというのが当たっている.またこの仕事でなければというほどに思っているわけでもない.どんな事でも少し首を突っ込むと十分やりがいがあるという思いがある.今の職業はある病気の子供とのひょんな出会いがきっかけとなって選んだ.この若い頃の偶然性に忠実であろうとしているに過ぎない.
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