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特集 第6回脳のシンポジウム
主題—ウイルス感染と神経系(いわゆるslow virus infectionの考え方)
SMONの病因—感染説の立場から
On the Etiology of SMON from Virological Aspects
甲野 礼作
1
Reisaku Kono
1
1国立予防衛生研究所
1Central Virus Diagnostic Laboratory, National Institute of Health
pp.507-509
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903268
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Ⅰ.感染説の考え方
SMONの病因に関して表1に示すようにいくつかの仮説が考えられる。このうちで感染説は早くから考えられていたところである。表2には感染説の根拠となる疫学的な現象を列挙した。
病院または特定の医師を中心とした流行は院内感染を思わせ,とくに長野県病院においてSMONが病棟に集積した事実は,感染説が決定的であるかの印象を与えた。しかし,今日では,むしろこれらの現象は,キノホルムなどによる医原性疾患と考えればかえつてよく説明される。ペラグラや水俣病が,その発見の初期段階で,感染症とみられたことがある歴史は十分考えておかなくてはなるまい。
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