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資料
乳がんに罹患した日本人女性のヘルスリテラシーに関するスコーピングレビュー
Scoping review on Health literacy of Japanese women with Breast cancer
中林 菜穂
1
,
古川 亮子
2
,
栗原 明美
1
,
濱田 千江子
1
,
近藤 ふさえ
3
Nao Nakabayashi
1
,
Ryoko Furukawa
2
,
Akemi Kurihara
1
,
Chieko Hamada
1
,
Fusae Kondo
3
1順天堂大学保健看護学部
2長野県看護大学
3長岡崇徳大学看護学部
1Juntendo University Faculty of Health Science and Nursing
キーワード:
乳がん
,
日本人女性
,
ヘルスリテラシー
,
スコーピングレビュー
,
breast cancer
,
Japanese woman
,
health literacy
,
scoping review
Keyword:
乳がん
,
日本人女性
,
ヘルスリテラシー
,
スコーピングレビュー
,
breast cancer
,
Japanese woman
,
health literacy
,
scoping review
pp.228-235
発行日 2023年12月31日
Published Date 2023/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.緒言・目的
日本のがんの罹患者数は年々増加しているが,日本人女性の部位別がん罹患率では第1位が乳房で日本人女性の約9人に1人が発症しており,そのうち働き世代・子育て世代である40〜50歳代での発症が7割にのぼる1).乳がんは集学的治療が実施され2),限局の場合,5年相対生存率は98.9%と非常によい1).しかし,化学療法は約3〜6カ月,放射線療法は約1カ月の治療期間が必要となり,治療中だけでなく治療終了後も晩期合併症のリスクがあり,ホルモン薬は5〜10年の長期的な内服が必要となる2).また,乳がんは手術後10〜20年経っても再発する可能性があるため,手術後の検診(外来)は再発リスクに応じて,術後3年以内は3〜6カ月ごと,術後4〜5年目は6〜12カ月ごと,術後5年以降は年1回となる3).この長期にわたる外来で医療者が乳がん患者に対応する期間は,乳がん患者が次の外来日を迎えるまで自分で情報を得て,療養や治療についての意思決定が求められる期間であるともいえる.
患者の意思決定には適切な情報が不可欠であるが,現代ではInformation and Communication Technology(ICT)の発展により乳がんに関して多くの情報が気軽に調べられるようになった反面,科学的根拠が明らかな情報とそうでない情報が混在している4)5).このような状況において,重要となる能力の1つとしてヘルスリテラシーが求められる.
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