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ミニレビュー
日本における摂食障害とその社会文化的要因の変遷—国際摂食障害雑誌掲載の系統的スコーピングレビューの解説
The Changing Profile of Eating Disorders and Related Socio-cultural Factors in Japan
中井 義勝
1
,
任 和子
2
Yoshikatsu Nakai
1
,
Kazuko Nin
2
1京都健康科学研究所
2京都大学医学研究科人間健康学専攻
1Kyoto Institute of Health Sciences, Kyoto, Japan
2School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyoto University
キーワード:
摂食障害
,
eating disorder
,
ED
,
社会文化的要因
,
socio-cultural factors
,
スコーピングレビュー
,
scoping review
,
ジェンダー役割
,
gender role
,
疫学
,
epidemiology
Keyword:
摂食障害
,
eating disorder
,
ED
,
社会文化的要因
,
socio-cultural factors
,
スコーピングレビュー
,
scoping review
,
ジェンダー役割
,
gender role
,
疫学
,
epidemiology
pp.105-114
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206544
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抄録 摂食障害の国際誌に掲載された「1700年から2020年の間における日本の摂食障害とその社会文化的要因の変遷」に関する筆者らの系統的スコーピングレビューの解説を行った。このレビューでは,漢文,和文,英文で記述された文献を調査,抽出,統合した。鎖国時代の18世紀に不食病が存在したことは,日本の摂食障害が西欧化により発症したという通説に反する。1960年頃の神経性やせ症の発症要因として,核家族の特徴が概念化された。1970年頃から西欧の影響で女性美の基準がやせ志向となり,ダイエットによる神経性やせ症が増加した。1980年代には食事が西洋化し,過食と排泄行動を有する摂食障害が増加した。20世紀後半には,ジェンダー役割など女性特有のストレスへの気づきによる摂食障害が増加した。以上,日本での摂食障害の病型の変化の包括的な概要を提供し,社会文化的要因が病型の変化にどのように寄与してきたかを考察した。
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