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資料
がん性疼痛コントロールに関する知識・態度・看護実践についての実態調査(第1報)—一般病院・大学病院・がん専門病院・緩和ケア病棟(ホスピス)の比較検討から
The First Report of Survey Regarding Nurses’ Knowledge, Attitude and Practice to Cancer Pain Control : from the Comparative Study of General Hospitals, University Hospitals, Cancer Special Hospitals and Palliative Care Units(Hospices)
中橋 淳子
1
Junko Nakahashi
1
1山梨県立大学看護学部
1Yamanashi Prefectural University
キーワード:
看護師の知識・態度・看護実践
,
がん性疼痛コントロール
,
病院の種類による比較検討
,
nurses' knowledge
,
attitude and practice
,
cancer pain control
,
comparative study by the kind of hospitals
Keyword:
看護師の知識・態度・看護実践
,
がん性疼痛コントロール
,
病院の種類による比較検討
,
nurses' knowledge
,
attitude and practice
,
cancer pain control
,
comparative study by the kind of hospitals
pp.33-41
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
Ⅰ.緒言
1981年以降悪性新生物が死亡原因の第1位を占め,進行がん患者の2/3以上が身体的疼痛を体験している1).WHOによるとがん性疼痛は正しい鎮痛剤の使用によって,70〜90%はコントロールできると言われているが2)3),末期がん患者の除痛率は38〜50%程度に過ぎない4).このがん性疼痛コントロールの現状は,終末期にある患者のQOLの低下を示す.そこで,1990年に緩和ケア病棟の施設基準が設定され,全国に5施設のみであった緩和ケア病棟は急増しているが,2006年悪性新生物による死亡者数も32万9,198人に増加しており5),がんの進行による苦痛症状に対して,緩和ケア病棟でケアを受けている患者は4%前後と試算される.この現状は,がん性疼痛に苦悩する患者の多くは,緩和ケア病棟以外でケアを受けている実態を意味する.
緩和ケア病棟に入院を希望する理由の第1位は,身体的苦痛の軽減にあり6),緩和ケア病棟でケアを受けている患者と家族の満足度は高いといわれている7)8).また,がん性疼痛の緩和率は,がん専門病院の60%程度に対して,大学病院は50%程度に留まっていることから9)10),一般病院・大学病院に比べて,がん専門病院と緩和ケア病棟は,患者のがん性疼痛を緩和することができているのではないかと考えられる.しかし,大学病院とがん専門病院の比較や,一般病院とがん専門病院での実践など2施設間での比較は行われているが,複数の施設間で知識・実践・態度を明らかにした先行研究はない.
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