Japanese
English
資料
積極的治療が望めなくなった時期を想定した場合のがん体験者の情報ニーズの検討
Information Needs for Cancer Survivors when Curative Cancer Treatment is No Longer Available
川村 三希子
1
,
小島 悦子
2
Mikiko Kawamura
1
,
Etsuko Kojima
2
1北海道医療大学看護福祉学部
2天使大学看護栄養学部
1Health Sciences University of Hokkaido
2School of Nursing and Nutrition, Tenshi College
キーワード:
がんサバイバー
,
情報ニーズ
,
ギアチェンジ
,
good death,palliative care
,
cancer survivors
,
information needs
,
transition to palliative care
,
good death
Keyword:
がんサバイバー
,
情報ニーズ
,
ギアチェンジ
,
good death,palliative care
,
cancer survivors
,
information needs
,
transition to palliative care
,
good death
pp.42-51
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
Ⅰ.はじめに
がんと診断されてから終末期に至るすべての段階において,がん患者は治療に関する情報をはじめ,療養生活を維持するための方略や,心理的安寧を得る方法などさまざまな情報を必要としている.海外では,患者はさまざまな媒体を通して情報を入手でき1),またその情報を統合するシステムも整備されている1)〜5)が,わが国は先進国のなかでもまだ遅れている現状と言わざるをえない.患者が自分自身のコントロール感を獲得していくためにも情報は必要な要素であり6),適切な時期に適切な内容の情報とその提供方法を整備することは急務な課題である.
特に,がんの全プロセスのなかでも,積極的な治療が望めなくなった時期は,改めて残された時間の過ごし方を考える必要に迫られる.患者や家族が自分らしい生き方を考えたうえで治療の選択,療養先の選択などを含め,さまざまな媒体から情報を入手し,患者自身が納得のいく選択ができることが望ましいと考える.しかし,現実は情報にたどり着く手段すらわからないまま,あるいは,医療者からの一方的な限られた情報によって選択を迫られ,医療からの見放され感を抱き意思決定の時間もないのが現状である7)〜8).
以上のことから本研究は,がんに対する積極的な治療が望めなくなった時期において患者はどのような情報を求めているのか,またその情報は,どの時期に,誰から,どのような方法で提供されることを望んでいるのかといった情報ニーズについて明らかにすることを目的とし,がん体験者の視点に立ったがん情報を整備するための一助とすることである.
Copyright © 2009, Japanese Society of Cancer Nursing All rights reserved.