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資料
子ども観の研究(1)―SD法による短期大学生の子どものイメージについて
A Study of ther Image of Children(1):The Case of College Students investigated by the Semantic Differential Method
木村 留美子
1
Rumiko Kimura
1
1神奈川県立衛生短期大学
1Kanagawa Prefectural College of Nursing and Medical Technology
pp.50-56
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
子ども観は,国の内外を問わず,その時代の社会・経済的な背景によって規定されてきた歴史性を持つものである.我が国の子ども観も児童憲章に代表されるように,戦後の動乱期にあって,何ものにも左右されない真に子どもの幸せを願って制定されたものであり,このような考え方を継承していくことは重要なことである.しかし現代の家族形態や少子化現象,そしてこのことから生じる問題1)は,学生に子どもとの接触の機会を失わせ,子ども本来の姿さえも十分に捉えさせることを困難にしている.これは学生の子ども観の形成にも多大な影響を及ぼしている.とりわけ将来積極的な意図を持って,子どもの成長・発達の保障に関わらなければならない看護の学生にとっては,看護介入を行う際の重要な視点として,学生個々の“子ども観”“育児観”“教育観”等を身につけておくことが重要である.
そこで,近年小児看護学においては,子どもに関する学習から,これらのことが学生の中にどのように位置づけられ,獲得されているのかといった学習の効果を確認するための調査が行われている2, 3, 4, 5, 6).しかし,得られた結果を教育の中に還元していくための具体的な方法や,方向性を示した研究は散見されるにすぎない.
そこで,本研究では子どもに接する機会の少ない現代の学生に,効果的な子どもの学習を準備するための前段階として,まずは学生の同胞の有無による相違や,専攻の志向性による相違,学習経験・体験等の学生が持っている背景による違いからの子どものイメージの相違を短期大学の学生を対象に調査したので報告する.
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