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資料
病院におけるシーツ,看護衣の細菌汚染とその防止について
Bactelial Contamination of Laundly in Hospital : Actual State of the Contamination and Preventive Measures Against it
高峰 道子
1
,
古瀬 浩介
2
Michiko Takamine
1
,
Kohsuke Furuse
2
1東京都済生会向島病院
2島根医科大学
1Tokyoto Saiseikai Mukoujima Hospital
2Deparment of Biology, Shimane Medical University
pp.48-53
発行日 1994年3月31日
Published Date 1994/3/31
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はじめに
院内感染防止のために,これまで用いられてきた方法は,診断に基づいた疾患別の隔離を行うというものであった.
しかしながら,臨床症状が明らかでない場合や,感染の有無そのものが不明の場合には,このシステムはうまく機能しない.臨床症状が現れていないHIVやHBVなどのウイルス感染の例で明らかなように,血液や体液などのbody substanceは潜在的な感染源であると考えるべきである.このようなbody substanceから体を守るために,ラテックス製グローブなどの物理的バリヤーを使用する“body substance isolationシステム”が提唱され,実行されるようになってきた1, 2).
しかしながら,body substanceからの直接的な感染を防止するだけでなく,患者及び看護者が共に接触するリネン類―それらは常にbodysubstanceに汚染される可能性がある―を介しての間接的な汚染を防ぐ必要があり,そのためにはより幅広い院内環境の整備,リネン類の消毒,手洗いなどの感染予防法の励行が必要である.
ここでは,院内感染の媒体として大きな位置を占めるシーツ,看護衣,タオルなどのリネン類に絞って,1. 細菌類の測定法,2. 細菌汚染の実態,3. 汚染に影響を及ぼす要因,を概観すると共に,汚染に影響を及ぼす要因の一つとして我国で広く使用されている洗濯糊に関する著者らの調査,実験を述べ汚染防止について考察したい.
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