特集 病院の汚染防止
ものの移動と病院の汚染防止
川北 祐幸
1
1順天堂大学・病院管理学教室
pp.362-364
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206524
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近代医療の発達とともに,院内感染の問題がクローズアップされて多くの事柄について論ぜられている.しかし,この中で,かつて伝染病,感染症といわれていた疾病とは異なり,弱毒菌,または常在菌によって引き起される,いわゆる日和見感染が主客をなしていることに気がつく.したがって,図1に示すように病院内における伝播の形式はかつての伝染病と同じであるが,感染源を明確にすることが,非常に困難で,健康人の鼻腔内ブドウ球菌や,わずかの緑膿菌が重大な結果を招くことがしばしばである.
一方病院の組織は専門分化し,設備的には中央化し,最も合理的な運用がなされるようになってきている.しかし,これらは,個々の目的,立場から解決されたもので,必ずしも汚染防止の点から採用の可否を論じることはなかったのではないだろうか.
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