焦点 感染予防に関する看護研究
研究
MRSA感染患者に行なった各種ケア後の予防衣および手袋の細菌汚染度比較
高橋 泰子
1
,
田谷 千春
2
,
橋本 洋子
2
,
佐久間 仁子
2
,
宇野 光子
2
,
山下 多香子
2
1東京大学医学部附属病院看護部・手術部
2東京大学医学部附属病院看護部
pp.284-290
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900206
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
現在我々は,病棟においてMRSA(Methicillin resistant Staphylococcus aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染患者のケアを行なう際に,感染防止のために必ず予防衣を着用している。しかし,煩雑な看護業務を次々と処理しなければならない状況の中で,予防衣の着脱はナースにとってかなりの負担となっている。そこで我々は,各種ケアの中でも配膳や下膳のような短時間で患者や周りの物品に接触しないですむ場合は,予防衣を着用しなくてもいいのではないかと考えた。
我々は,ナースの看護衣・予防衣が長時間着用し患者をケアすることにより,汚染されることを,既に報告しているが1-3),どのような看護ケアを行なえば予防衣にどの程度の細菌汚染があるのか,またどのくらいの汚染までが許されるのか,などの点については,全く知られていない。そこで我々は,各種ケアのうち,患者との接触度が高いものと接触度が低いものの代表的なケアを選び,個々のケア後の予防衣および手袋の細菌汚染度について調査した。これらの結果は,今後の看護技術および業務の見直しや簡素化を行なう際の資料としても役立つことが考えられる。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.