Japanese
English
第25回日本看護科学学会学術集会 会長講演
看護における“いのち”への視座
Nursing's View of Life
新道 幸惠
1
1青森県立保健大学
1Aomori University of Health and Welfare
pp.51-55
発行日 2006年3月20日
Published Date 2006/3/20
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
はじめに
近年,世界の各地において,人の命があまりにも軽んじられる出来事が多発している.人の命を自他ともに奪うことが,特別な場所や特別な人によって行われるのではなく,人々が普通に生活している場で普通のごとく行われているという憂えるべき出来事が増加している.そのような社会に,看護は,人の命に真摯に向き合い,見守り,祈りにも似た情熱でもって,命を生かし,永らえさせ,意味のあるものへとすることを目標に努力している.その努力の源ともいえる看護の“いのち”への視座を近代看護のはじまりまでさかのぼり考えてみることにする.そこで,近代看護の祖といわれるフローレンス・ナイチンゲール(以下,F.ナイチンゲール)の命への視座をその著書『看護覚え書』(1995)の中に見出し,それを基にして,看護の発展の方向について簡単に触れ,母性看護学における命へのまなざしを,筆者がライフワークとしてきた“母”を育む看護に焦点を当てて述べる.
Copyright © 2006, Japan Academy of Nursing Science. All rights reserved.