Japanese
English
第28回日本看護科学学会学術集会 会長講演
ケアリング・サイクルの形成に向けて
Toward Fostering Caring Culture in Work Places and Classrooms
安酸 史子
pp.38-44
発行日 2009年6月29日
Published Date 2009/6/29
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
Ⅰ.はじめに
ケアリングは1970年代より米国の哲学,心理学,教育学,看護学の分野で用いられるようになった言葉である.ケアという言葉は「心配」や「注意」といった心理的態度と,「他者の世話をする」という行動の両者を含意しているが,ケアリングという場合には,心理的態度が強調されることが多い.
筆者は,看護基礎教育を看護学校と看護大学の両方で1年から受けた貴重な経験をもつ.修士課程を看護教育学講座で学んだこともあり,看護学校と大学で最も違いを感じた教育方法である実習教育に関して,研究的関心をもち続けてきた.個人的には指導型(行動主義)モデルで基礎看護学教育を受けた看護師として,キャリアアップしてきたことを認識しつつ,学習援助型(ケアリング)モデルでの教育方法にこだわって研究を続けてきている.看護学生への実習教育に関しては,修士課程修了後に,藤岡完治先生らと『学生とともに創る臨床実習ワークブック』(藤岡ら,2001)を上梓し,その後「経験型実習教育」として実習教育の方法論を提唱してきた(安酸,1997,1998,1999,2000,2006).
Copyright © 2009, Japan Academy of Nursing Science. All rights reserved.