隠れた戦中医学史 ペニシリン秘話
ペニシリン黎明期
落合 勝一郎
1,2
Katsuichiro OCHIAI
1,2
1学校法人東京文化学園
2財団法人聖路加国際病院
pp.66-68
発行日 1986年1月1日
Published Date 1986/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208752
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戦争が終わって40年経った今日でも"ペニシリンは戦後になってアメリカから輸入されたものだ"と思い込んでいる人が意外に多い.筆者の知り合いの東北大学医学部の基礎の教授だった方も全く知らなかったし,そのほか雑誌記者,銀行員,開業医,病院関係者など各方面の友人たちとの会話の中でも,戦中から日本がペニシリンを研究し,そして工場生産につないで成功したことや,国内で生産された日本製ペニシリンが昭和20年3月9日の東京大空襲,ついで同年8月の広島原爆投下に大切な救急薬品として使用され,大いにお役に立ったという事実を知っている人は少ない.
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