第21回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【会長講演】
腎不全看護の絆を紡いで—未来へのステップアップへ
赤津 サトミ
1
1医療法人鈴木泌尿器科
pp.4-11
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200150
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はじめに
第21回日本腎不全看護学会学術集会・総会は,四方を山々に囲まれ,紅葉の深まる長野市で開催するに至った.第18回冬季オリンピックの開催地であり,善光寺のお膝元である長野市での開催は,当学会が設立されてから初めてのことであった.
日本腎不全看護学会が1998年に発足し21年目を迎えた今回,腎不全看護を継続してこられたのは,全国の仲間,県内の仲間と築き上げた「絆」の成果であると実感している.透析看護から腎不全看護へと変革してきた過程で,仲間とのネットワークが紡がれてきたと思う.
1998年,第1回の学術集会・総会は300名弱の参加者で,「21世紀の腎不全看護のパラダイム《統合・調和・自立》」をテーマに神奈川県横浜市で開催された.当学会の発足から20年が経過し,多くの諸先輩方がその時々のタイムリーなテーマで学術集会を開催し,学会を成長させてこられた.学会を設立し,導いてきてくれた諸先輩方から受け継いだ腎不全看護の歴史・知識・技術はもとより,腎不全看護にかける熱い思いは,20年という時間をかけて1本1本の糸を紡ぐように,多くの会員によるさまざまな糸を織り交ぜて丈夫な織物(組織)を構築されてきた賜物である.
テーマの意味を私なりに考え,「紡ぐ」とは「つなげる」「コーディネートする」,「織りなす」とは「いろいろなものを組み合わせ,1つのものをつくりあげる」,「絆」とは「断つことのできない人と人との結びつき」と解釈した.培われた「絆」をより強固にしていきたいとの思いを込め,本学術集会のテーマを「紡ぎ織りなす 腎不全看護の絆」と掲げた.
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