第14回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
1.看護ケアの質評価への取り組み
鄭 佳紅
1
1青森県立保健大学
pp.19-23
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100473
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はじめに
医療の質の標準化・保証が進み,質の高いサービスを提供することは当たり前のようになっている.看護ケアの質に関する研究は,国内では1987年に聖路加看護大学を中心に行われた看護QA(質保証)研究会による患者,看護師双方からの評価ツールの開発(研究代表者:南 裕子)が最初である.そして,1993年度から5年間にわたる「看護ケアの質の評価基準に関する研究」(主任研究者:片田範子)により,看護ケアの質の6領域の評価指標が開発され,構造,過程,成果の3つの局面を評価する方法が開発された.その後,現在ではWebシステムを活用して大量のデータを蓄積するための画面の操作性の向上や,看護ケアの質評価指標や尺度の精錬をもとに,「Web版看護ケアの質評価総合システム」が構築され,筆者もこのシステムの運営にかかわっている.
一般に,看護は医療サービスに含まれるものとしてとらえられており,サービスの受け手である患者が医療施設を訪れるのは,診察や治療が目的である.よって,サービスの受け手である患者および家族は,看護ケアだけをとらえて評価をすることは少ない.しかし,サービス提供者として多くの時間を費やしているのは看護師であることが多い.
そこで今,改めて看護ケアの質について確認し,今後さらに質の高いケアを提供するためにどのように取り組むのか,何ができるのかについて考えてみたい.
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