書評
看護ケアの質評価と改善
佐々木 誠子
1
1東京臨海病院 看護部
pp.250
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202350
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忙しい日々の中での質向上へのこだわりに希望が持てる1冊
看護ケアの質改善につながる看護QIシステム
東京臨海病院では,「Web版看護ケアの質評価総合システムを用いた看護の質評価に関する研究」(科学研究費助成事業)への協力(2006〜2008年度)を経て,2010年度から隔年で12病棟が「看護ケアの質評価・改善システム(以下,看護QIシステム)」による質評価を受け,看護ケアの質改善に取り組んでいます。
看護QIシステムでは,看護の質を,3つの側面(構造,過程,アウトカム)と,6つの領域(患者への接近,内なる力を強める,家族の絆を強める,直接ケア,場をつくる,インシデントを防ぐ)の評価指標を用いて評価します。6つの領域は,2000年以前の研究の初期段階に開発されたものですが,現在の臨床現場にも見事にマッチしています。また,このシステムは,看護ケアの“過程評価”を行うことができるのが大きな特徴であり,過程の厳密な評価により,看護ケアの質改善につなげることができると示されています。
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