【研究報告】
サテライト透析施設スタッフに対する学習プログラムの効果
本吉 美也子
1
1北海道医療大学大学院看護福祉学研究科
pp.54-63
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100381
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Ⅰ.はじめに
わが国では,血液透析患者(以下,患者)の高齢化が進行し,複雑で重症度の高い患者が増加しており1),これらに応じたきめ細かな観察と看護が求められている.また,患者の約半数が外来透析治療を中心とした診療所,いわゆるサテライト透析施設と呼ばれる施設で治療を受けている2).しかし,サテライト透析施設はセンター病院に比べスタッフ数が少なく,准看護師の割合が高いうえ,透析技術への不安や患者との関係にストレスを強く感じている3)という現状がある.また,小規模クリニックではスタッフのローテーションが少ないことからくる閉鎖性や,根強い現状維持の風土があることも指摘されており4),専門職に求められる継続的かつ主体的な学習が確立されにくい状況にあるといえる.しかし,わが国の患者の多くがサテライト透析施設で治療を受けている現状から,このような施設における看護の質の向上は強く望まれるところである.また,このような透析施設では看護師以外の職種のスタッフも直接患者に接する場面も少なくないが,適切なケアをチームとして患者に提供するためには,看護師が中心となって他職種と連携をとることは重要であり,そのような現場にふさわしいスタッフ教育の方法を検討することが必要である.
そこで本研究では,サテライト透析施設で働くスタッフが,専門職として自らの課題を見出し,それに主体的に取り組めるように支援することを目的に,成人の学習理論に基づく学習プログラム(以下,プログラム)を導入し,その効果を検討するものである.
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