第4回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
1.看護婦さんのための医療経済入門―透析医療経済を中心に
日台 英雄
1,2
1横浜第一病院
2関東学院大学経済学部
pp.9-10
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100103
- 有料閲覧
- 文献概要
医療経済学の発達
経済という言葉は経国済民(または経世済民),つまり,「国を治め民衆を救う」に由来します.現在では,経済学者のいう経済とは「有限の資源を有効に使用する方法を求めること」ですし,一方,家庭の主婦などが使っている経済はお金の出入りとかバーゲンでディスカウント品を手に入れるといった意味に使われています.経済性といわれると,とかく支出を切り詰めることと受け止められそうですが,実はそうでなく,もし支出に比して効果が非常に大きいときには,どんどん費用を使うことが求められます.
さて,医療経済学は歴史の浅い学問です.聴診器1本で診察し,リンゲル注射が治療の花形であった20世紀前半までは医療費はたかが知れたものでした.しかし,20世紀後半になると医療技術の進歩は著しく,したがって医療費は高額化し,各国の経済を圧迫するようになったため,限られた医療費をいかに有効かつ公平に配分すべきかが問題となり,医療経済学が必然的に発生しました.
Copyright © 2002, JAPAN ACADEMY OF NEPHROLOGY NURSING. All rights reserved.