【実践報告】
西部腎クリニックにおけるヒューマンエラーの現状と安全管理対策
川本 美千代
1
,
落合 福江
1
1医療法人社団湯沢会西部腎クリニック
pp.77-82
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100088
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はじめに
透析の看護は,人工臓器によって生きる人々,機械によって生きる人々への看護支援であり,機械や装置に依拠した状況下における健康回復と患者の自己表現を目指す活動といわれている.多人数の体外循環を日常的に繰り返す治療は,常に事故の危険性が内在しており,事故を起こさないよう努力してもヒヤッとしたり,ハッとしたりする場面に遭遇することは多々ありうる.
日本医療労働組合連合会(医労連)は2000年,看護職組合員10万人を対象とした調査の中間報告を発表した.そのなかで9割以上の看護婦がミス,またはニアミスを起こしそうになった経験があると回答していることがわかっており,「まったくない」との回答は6%にすぎなかった.今まで事故が起きなかったということは今後も起きないという保証はなく,日常潜んでいるリスクをキャッチし,具体的で実際的な対策を即日立てて実行することが必要とされる.
血液透析治療の安心と快適性を確保するには,治療全体の安全管理に目を向け,日常的に発生するヒューマンエラーの対策を強化し,予防する安全対策が必要となっている.当院では,“ヒヤリハット”を含む過去3年間の事故報告書を集計・分析し,発生状態と要因の関連性を検討した.
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