総説
医療経済と臨床検査
石原 信吾
1
1病院管理研究所経営管理部
pp.959-964
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914861
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我が国の病院では現在,総職員の5%前後を占める検査部の職員が,総収入の10%前後の収入をあげながら仕事をしている.もっともこれは,公的一般病院の平均像であって,病院の種類により規模により機能度によって,個々の病院ではかなりの違いがみられることは言うまでもない.精神病院では3.5%前後の職員が7%前後の収入をあげており,結核病院では1〜2%の職員が2〜3%の収入をあげているというのが,大体の平均像と言える.
我が国の病院は終戦後大きな転換を遂げてきたが,それをリードする重要な指導原理の一つが"業務の中央化"という原理であって,病院の中央検査部がその推進過程の中で,病院機構の中に新しく登場してきたことは周知のとおりである.その後,病院の機能は急速に高度化を進めながら今日に至っているが,その際に,病院機能の重要な一翼を担う臨床検査部が常にその先導的役割を果たしてきたことは当然と言えよう.特に1965年以降,機能の高度化のスピードが増すとともに,検査部の発展ぶりは,装備的にもまた人員的にも目覚ましいものがあった.1955年以降に始まり,特に1965年を越してから早まった我が国の病院の近代化の歩みの中で,臨床検査部は最も発展した部門と考えて良いであろう.
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