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●【主な論文】3月は看護師人生の“分岐点”を支援するための看護教育特集号
日本では,この春に入学した新入生たちも学校や新しい生活に慣れ,看護師への道を一歩一歩着実に進んでおられる時期でしょう。また専門性の向上や教員になるために学校に戻ってこられ,久しぶりの学生生活に戸惑いを感じておられる院生の方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらといえば,6月は卒業シーズンで,UCSFの仲間たちも6月9日の卒業式を境に,CNSやNPとしての新しい知識や技術を医療現場で実践するため,またこれからの長い教員生活の一歩を踏み出すためにそれぞれの道に進んでいかれます。
『JNE』3月号では,これらの分岐点がスムーズに行われるための看護教育について語られています。臨床の現場に巣立っていく上級看護師が,学校で学んだことを実践に繋げるための教育とはどのようなものか。臨床を長年続けられた看護師が,教員や研究者の立場として教育現場に戻ってこられる際に,臨床での経験と論文から得られる知識をうまくコラボレートするにはどのようなサポートが必要か。それに対応する新しい教育法の例として,修士課程の最終学期に繰り込む教育実習,新しい教員の文献調査向上のための図書館司書との一対一の講習,新卒看護師を受け持つプリセプターのためのワークショップなどが挙げられています。今号を読むにあたって頭をよぎったのが,日本でも著名なUCSF名誉教授のパトリシア・ベナーが書かれた『From Novice to Expert』です。私も在米での大学最終学期に,この本を元にこれから目指すエキスパート・ナースになるためのステップや突き当たるであろう壁についてクラスメートたちと話し合いました。
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