第20回日本糖尿病教育・看護学会学術集会 教育講演2
その人らしい生活の実現のために地域包括ケアシステムに期待される看護の役割と能力
山田 佐登美
1,2
Satomi Yamada
1,2
1川崎医科大学附属川崎病院
2前尾道市立市民病院
1Kawasaki-Hospital
pp.111-115
発行日 2016年3月30日
Published Date 2016/3/30
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1.これからの社会や制度の変化
日本は,世界に前例のない長寿社会となり,少子化と相まって人口構造が大きく変わってきている.団塊世代が後期高齢者に入る2025年には日本の高齢化率が30%となり(2025年問題),これが2060年頃には40%近くになるとの予測もある.特に75歳以上の後期高齢者の増加が特徴的である.そして日常生活自立度Ⅱ以上,つまりなんらかの支援が必要な認知症高齢者も345万人(2015年)から470万人(2025年)へと増加する.また,後期高齢者の疾病の発症リスクは高く,入院受療率が年齢と比例して高まり,在院日数も長期化すると予測される.
更に日本はまもなく多死化社会に突入する.「どこで看取るか」が課題となる.病床も介護施設も収容には限界があり,多くの「看取り難民」が発生する可能性は高い.「在宅看取り」が促進されるゆえんである.
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