連載 保健行政のためのデータサイエンス・4
地域包括ケアシステムの実現に向けたヘルスサービスリサーチ
森山 葉子
1
1国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部
pp.582-586
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210072
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はじめに
筆者は、保健、医療、福祉に関係する行政の職員や保健師等技術系職員などへの研修を実施し、これらに関連する調査・研究を行う機関に属している。地域包括ケアシステムをどのように評価するか、介護を要する高齢者およびその介護者のQOLをいかに保つかといったことを中心に、ヘルスサービスリサーチ(Health Service Research: HSR)の手法を用いた研究をしており、保健所長を目指す医師らや、自治体の介護保険担当者等に向けて、研究に関連する研修を行っている。日ごろより、行政で高齢者福祉や介護保険に携わっていても、地域包括ケアシステムを言葉で説明するのは難しいと聞く。保健所の日々の業務からすると、地域包括ケアシステムには少し距離感があるかもしれないが、これを機にぜひ身近に感じて関係各所と連携、協力してほしい。
地域包括ケアシステムをより効果的に機能させるには、PDCAサイクルの中で適切に評価を行うことが必要である。本稿では、保健所や自治体職員が地域包括ケアシステムの実現に向けた取り組み、評価を実施する中で活用してほしいHSRについて述べたい。
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