特集 理学療法実践に役立つコミュニケーション技術
理学療法における患者の動機づけを向上させる技術
鯨岡 栄一郎
1,2
Eiichiro Kujiraoka
1,2
1訪問看護ステーションきゅあ
2福祉医療コーチングLab.
キーワード:
動機づけ
,
コーチング
,
感情
,
焦点
,
行動変容
Keyword:
動機づけ
,
コーチング
,
感情
,
焦点
,
行動変容
pp.305-311
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106601
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はじめに
近年,リハビリテーション領域におけるコーチングやコミュニケーションに対する関心の高まりを感じる.理学療法を進めていくうえで,治療技術以外の要素の必要性をどこかに感じている現れかもしれない.とはいえ,リハビリテーションのみならず,医療において最も課題となる患者の動機づけ(=モチベーション)そのものの実際に関しては,まだまだ乏しいのではないだろうか?
今日,パソコンやスマートフォンに代表されるウェブ環境が整い,医学的知識は無料でいくらでも集めることができるようになった.これからの時代に着目すべきは,むしろ情報量ではなく,「知っていること」と「実際の行動」の溝である.多くの場合,人は自分が何をすべきなのかはすでにわかっている.しかし,それを実行し続けられるかどうかはまた別の問題である.人はそのくらい,自分1人だけでは,自らの行動を変え,習慣化させるということが難しい生き物であると言える.そのギャップを埋めるのが,これからのわれわれ療法士に求められる役割と言えよう.
そこで今回,私からはあくまで現場実践のコーチング的視点から,臨床において患者を動機づけするための具体的なスキルと考え方について紹介したい.
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